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行ってきましたブラティスラヴィア世界絵本原画展

 うらわ美術館で開催されてるブラティスラヴィア世界絵本原画展に行ってきた。

 お目当ては絵本ではなく、特別展示されていたチェコの家庭用劇場と操り人形をみることだった。
チェコの人形劇といえば、ぼくが図書館に勤めだしたころ目にした
人形の国のガリバーさん―チェコの人形劇に学んで (1978年) (中公新書)
に触発されたところが大きい。
退職したら一度は勉強のためにも訪れたいと思っていたのだが…
ぐずぐずしているうちに向こうからやってきてくれたのだった。

 展示は予想以上に充実していた…人形が200体、舞台が10ほどあっただろうか…
家庭用ということもあり、サイズも7センチからせいぜい20センチぐらいのものが多く、
作りも素朴な感じはあった。しかし、舞台は家庭用というには余りに立派で、
これを購入できる家庭とは…と考えると文化の違いを思わずにはいられなかった。
 以下いくつか印象を書いておこう…

 ・泥棒は羽根のついた帽子をかぶっている(そういえば「おおどろぼうホッツェンンプロッツ」も…)

 ・王さまのマントは長く、王子のそれは短い

 ・カシュパーレックという人気キャラは作者によって様々な表現がされ面白かった

 ・チェコにも水の精と呼ばれる全身緑色の河童?がいた

 ・アレシュ人形と呼ばれる一群の作品は顔にそれぞれ個性があり感心した

 ・機械的に丸く切りだされた人形には魅力を感じなかった(いびつが個性だ)

 ・舞台がすべて土台に収納できるように工夫されているのは家庭用として大切なのだろう

 「スケッチしていいですか?」と係りの人に尋ねると、専用のバインダーに挟んだ紙と
鉛筆を貸してくれた。
ちょっと目立つ風体のぼくが人形や舞台をあちこちから熱心に
描いていた様子はかなり怪しく思われたかもしれない…

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    (上の画像はパンフレットも参考に後から資料用に描いたもの)

 さて、マリオネットはぼくの劇団ではマッキーという愛称で役者を養成中なのだが、

それはまた別な話…
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いいだ人形劇フェスタ2013で その1 

長年気になりながら実現できなかったフェスタへ出かけて行った… 

今回のフェスタは前身の<人形劇カーニバル飯田>から35年、
<いいだ人形劇フェスティバル>となって15年の節目なのだという…
6日間にプロアマ併せて260を超える団体が120を超える会場で500を超える公演を行うのだ…
思い付きの二日間でできる観劇などはじめから知れている…
ここは逆手にとって自分のスケジュールで出会えるものを楽しもうとはなから心に決めていた。

 まずは大会本部のある飯田文化会館と隣接する飯田人形劇場へ向かう…
歩くつもりで駅前の案内所で場所を確認すると、親切なボランティアの方が
首をかしげてシャトルバスの方がいいとすすめてくれる…
そこで発着所を教えてもらって乗車…あっという間に到着
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たぶん1キロぐらいだっただろう…
上り坂を気遣ってくれたのだろうか
シャトルバスは20分間隔で循環していた
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フェスタ本部のある飯田文化会館(正面はホール入り口)
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文化会館向かって右に隣接する人形劇場


参加証になるワッペン(700円)があれば観劇できる公演と、
別途料金が必要な公演があるシステムだ…
たぶん高校生らしい初々しいボランティアからワッペンを購入…
夜の部の有料公演チケットを購入して隣接する飯田人形劇場へ行った…
ちょうど開演20分前ぐらいで中に入れた…
キャパは200席…間口5間の舞台…専用劇場はプークの人形劇場しか知らないが、
傾斜のある座席でわかるように、つくりはどう見ても多目的ホールだ…

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プログラムは沢則行フィギュア・シアター・ワークショップ発表公演。
演目は人形芝居噺・『飴買い幽霊』『晴子』…どんな劇なのかまだわからない。

 「貧乏で日本に住めなくて、ヨーロッパで学生に人形劇を教えている…」などと
ふしぎな前口上とともに中年、短髪のおじさんが登場…
この男性がワークショップの指導者、沢氏らしい…
後で調べてみると札幌出身でひとみ座に所属したのをはじめ、
本当にヨーロッパで活躍しているらしい…
司会の沢氏によると、せっかくの専用劇場がピアノの発表会に使われたり、
生かされていないため、昨年のフェスタ終了後に地元に常駐することの多い
オーバー60歳を条件にメンバーに募ってワークショップをやったとのこと。

 さて、開幕…『飴買い幽霊』全国にバリエーションのある有名な話で落語にもなっている…
舞台中央に和風の飴屋らしきセット…まず上手に年配の三味線奏者が着席、
続いてこれも年配で和服の女性が中央に座って張りのある声で語り始める…と…
下手から子どもらしき三体の人形を乗せた引き枠が登場…この子たちは飴屋のお客…
演者は一体づつ手にとって飴売りのやり取りをする…

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 その後は幽霊に6日間一回1文、七日目には着物の切れ端で飴を売り…
といったストーリーを一人芝居で演じていった…
最後に面をつけた等身大の人間が登場したのはどうか…

 二つ目のプログラムは<晴子>…このタイトルは演者の名前だった。
これもほぼ一人芝居で、飯田の主要産業だった養蚕農家で育った幼児体験を熱演する75歳…
背景のスクリーンに映すOHP映像はOHPの宿命である画面の揺れが大きく
舞台の演技と落差がありすぎる印象…
もう一つとても残念だったのは大きなかごにいれた家族の人形たちを
大家族の食事風景の再現として並べる場面で「ここはお父さん…」と
間をとって一つ一つ並べていく趣向は面白いのに人形の座りが不安定で
気持ちがそちらに取られることだった。安定の大切さを改めて思った。

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 この日は外の暑さと会場の快適さに負け?移動する気にならず、そのまま
同じ劇場で3:30からの発表会を見ることにした。
『こぶとりじいさん』はクレヨンしんちゃんのような語り口、オーバーな動き…
出使いの女性のキャラが際立ち、面白かった。
やるならこのくらいとことんやった方が見ている方も楽に楽しめる…
しゃくれたあごのじいさんの造形がユニーク、こぶがおそろしく
巨大でブランブラン揺れるところも良かった。

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このくらい大きくないと説得力がない…さっそくぼくのじいさんのこぶも大きくしようと思った。
この劇でも鬼はOHPだが、やはり動きが雑になり残念だ。
もう一つ…宮澤賢治原作の『注文の多い料理店』はほぼOHPの投影のみの作品だった。

 この日の夜の部はとても面白かったのだが、それは次回に…



いいだ人形劇フェスタ2013で その2 人形劇団みのむし

■ 糸あやつりを観る ■  

  夜の部はプロの糸あやつり人形劇団の公演だ。
 
 人形劇場から4キロ離れた会場の黒田人形浄瑠璃伝承館には送迎バスが運行されている。
会場の建物は総木造りで重厚そのもの…いやでも歴史を感じる。 

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 ぼくは知らなかったが、黒田人形芝居は元禄年間から伝わる伝統芸能で
伊那谷に4座(古田、早稲田、今田、黒田)が活動しているらしい…
その保存、後継者育成、 上演拠点として造られたとのこと…

 
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会場時刻までロビーで待っている間、横のガラスケースに数体展示されている人形を
じっくり観察することができた…どれも文楽の系譜に連なる本格的なつくりだった…

 床に直接座る状態で開演を待つ…冷房がなく、ほぼ満員のため暑さがひどい…
でも、その待ち時間もフェスタの楽しみに違いなかった…
時間になり、リーダーらしい僕ぐらいの年配の男性が登場…
黒づくめのシャツとズボンとハンチング…ベルトが妙に社会人ぽく見える… 

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 前口上の後、メインプログラムの前に…ということでオテモヤンの曲に合わせて
一人で三変化する人形劇を披露した…
 まず舞台全面にあった小さな衝立の後ろでゴチョゴチョ準備をしてから両手に人形をはめ、
ちょうどマザーグース『パンチとジュディ』のように掛け合いの演技…
続いて、衝立を取り払うと大きなオテモヤンのマリオネットになりひとしきり踊る…
最後には更に巨大な人形を操った…
これは自分の足をそのまま人形の足に見立てたもので
ズボンをたくしあげ、コミカルに踊る様子が何ともおかしい…
この一曲で観客はすっかり和み、次の舞台への期待が高まるのだった…
  

  メインの演目は<怪談・幽女執念(おそろしやおんなのしゅうねん)>というもの
公営のお化け屋敷でアルバイト中の三大幽霊スター…
四谷怪談のお岩、番町皿屋敷のお菊、牡丹灯篭のお露が演じる楽屋噺が中心…
階段らしい本格的な見せ場もありながら三人の性格をそれぞれ<女の鑑>、
<お局>、<ぶりっ子>と 明快に位置付けて進行する… 

 人形が 幽霊というのが糸あやつりにぴったりだし
西洋のマリオネットとは違うたくさんの糸を操る 繊細な動きが楽しめた…
中に時事ネタを取り込んだり、ちょっとした仕草やセリフ回しの面白さは
日々の 実践から試行錯誤で練り上げていったものだろう…
そして、これは観客と演者の呼吸で成り立つ生ならではのものなのだ。
お露を口説く支配人が奥さんにのされる結末も笑えた。
 いずれにしても、プロの技が随所に光る公演だった。
 後で調べると主宰の飯室康一氏は竹田人形座に所属後
自分の劇団を立ち上げた経歴だった… 

 ところで…終盤、劇の進行上アクセントとして演じられた 骸骨のコツスケの踊りは
仕掛や動きが新鮮で、印象に残るものだった… 
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 一番印象的だったのは、フィナーレで全員が登場する場面だった。
総勢三名で演じていたことがわかり会場から驚きの声が上がった…
それはそうなのだ。プロは人件費を極限まで切り詰めなければやっていけない。
大勢でワイワイやるのはアマチュアなのだと改めて思ったことだった。


フェスタ二日目には大人数が登場するプロの劇を見たが、これは次の回に…

いいだ人形劇フェスタ2013で その3 市街散歩 人形劇団クラルテ 

 ■ 飯田市街を歩く ■

二日目は9時前に駅に出て、公演が始まるまでしばらく街歩きを試みた…

 昨日真っ先に行った人形劇場があるのは駅の山側だが駅前から
メインの町並はずっと下りになっている…
しばらく歩くと並木通りという道にぶつかった…
広い道幅の中央にリンゴ並木が続いているいい空間だった…

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昔あった大火の教訓から防火区画の意味ももたせているらしい…
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子どもが遊べるスペースもあり、ぜいたくで
豊かな 環境だと思わずにいられなかった

 リンゴ並木の突きあたりに小さな動物園があった…
無料だという…9時開園ですでに親子連れなどの姿があった…
子どもに混じって園内を1周する<べんけい4世号>に便乗させてもらった…(100円)

■ 川本喜八郎美術館 ■
散歩には目当てが二つあった…その一つが川本喜八郎美術館だ…
着いたのは9時半…開館直後で人影も少なく、館内をゆっくり見ることができた…
NHK放映の三国志関係の人形が大量に展示されており、
衣装の細工の手間などから これが一大プロジェクトだったことが容易にわかった。
川本一人で出来る仕事ではない。
 館内に衣装をとった棒使い人形が1体でていて、これは自由に操作できるという。
係のお姉さんの勧めもあって手に取るとつい研究心を出して動かしてしまった…
2本の操作棒のほかに中心線にもう1本ロッドがあるのは
これで人形の向きをコントロールするのだと説明された…
 
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 館内には人形作りのプロセスを丁寧に説明している展示もあり、
ゆっくりしたいところだったが、もう1カ所飯田市立中央図書館を
のぞいてみたかったので、続きは次回ということで後にしたのだった…

 中央図書館は市街の中心からは少しはずれたところにあった…
近くにはものすごく風情のある古い様式の小学校もあり、
このあたりが教育を担う歴史的な場所だということが分かった
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中央図書館は和風の外見で中二階を持つ建物だった…
内部は全体に歴史を感ずるレイアウト、資料のように思えた。
 

さて、図書館をでてから午後に見る予定の会場の下見をしながら
午前の公演会場である飯田市文化会館を目指した…

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野外のメイン会場となるフェスタセントラルパーク
中央奥の大テントで一人人形劇を見た


 
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韓国の人形劇を見た中央公民館
手前のスペースは市営プールの跡



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4体の人形が芝居する時計塔「ハミングパル」
昭和60年代からある飯田市のシンボル

 市内見物を兼ねた会場確認も時間になったので
昨日も行った飯田市民会館へ向かった…
この道のりは上り坂になるので歩いてみると結構きつかった…

■ ぜいたくな人海戦術 ■
11時からの公演は人形劇団クラルテの<11ぴきのねこどろんこ>だ…

11ぴきのねこ どろんこ11ぴきのねこ どろんこ
(1996/10)
馬場 のぼる

商品詳細を見る

この作品は有料な上、座席指定…
キャパ800席の飯田文化会館ホールはほぼ満席。
上手寄りやや前の方に着席する。
左隣には人形劇関係だろうと思われる二人連れのご婦人である。
右側は最後まで空席。
間口6間のステージは緞帳が上がった状態でセットが見えている。
お話がスタートしてまず驚いたのは11匹のネコを一人1体で出使いしていること…
裏方を入れればどれだけの人数でツアーをしているのか…
これで食べていくのは大変だろうなぁ…と余計な心配が頭に浮かぶ…

さて、始まってしばらくは隣の二人組が舞台のあれこれを見たままに
口にするのが気になってどうもお話に入りづらい。
もっとも、ストーリーもちょっと単調というか…ほのぼのして
あんまり盛り上がらないなぁ…と思えたのも事実だった…
隣が静かになったので見ると、片方が気絶していた…
そういうぼくも途中で睡魔に負けてしまったのだった…
 
 しかし、休憩を挟んでの第二幕になると巨大恐竜が登場し
盛大な泥遊びも始まってだいぶ盛り返した…
セットでは舞台間口いっぱいに60㎝ぐらいの高さがあるケコミから様々な背景が飛びだしたり、
変化したりと装置に工夫が見られた…

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場面転換では暗転が多用されていたが、これだけオープンな出使いなのだから
転換を見せても問題はないように思った…
 
お昼をはさんでこんどは対照的な一人人形劇団と出会ったが、それは次回に…

いいだ人形劇フェスタ2013で その4 人形劇団ののはな

 13:20からフェスタセントラルパーク人形劇団ののはな演じる
『スーパー人形劇/赤ずきんちゃん』
を見た…

 会場は折りたたみ椅子が並んだ大きなテント…
もちろん冷房があるわけもなく、相当暑い…
定刻になり、陽気な口調で小太りのおじさんがステージに登場すると
手に持っていたトランクからスーパーのポリ袋を取りだした…
 すると前の方に座っていた子どもたちが
これからやることを声に出し始めた…
前回のステージを見た子なのだろう…
こういう客はいてくれた方がうれしい…
続けて見てくれるだけでありがたいし、
この子とやりとりで場を盛り上げることも可能なのだ。
実際、おじさんもその方向でステージを進めていた。

 ところでスーパー人形劇とはスーパーのポリ袋を使うものだった。
ポリ袋でタコやキツネなどの動物を次々ひねり出していく…
途中ではストローでふくらませるバリエーションもあり、
小規模でやる分にはそれなりに面白いと思う。

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 一度袖に引っ込んで再登場すると頭からすっぽり人形劇舞台をかぶっている…
露出している下半身はキラキラズボンにキラキラブーツに変わっていた…

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なるほど…確かに普通のズボンと靴では派手な舞台と
釣り合いが悪いという計算なのだ。
お芝居はお母さん部分をカットし、流れは原作に沿っていた…
途中でLEDを使ったミツバチとオオカミがからむエピソードを入れ、
変化と時間経過に工夫がみられた…
何しろ一人芝居だから大変…
両手にパペットをはめてやりとりをしたかと思うと
ハーモニカを吹きながら大道具転換…
人形も上から出したり横から出したり…
舞台自体も客席とやりとりしながら下手に、上手に移動していく…

 この劇を見ていて隠れて操作するメリットを考えた。
姿が見えない方がセリフを思いきり言える?観客が集中する?
この芝居は観客を巻き込んで進めるやり方なのだが…

 思いきりコケるなどハンドパペット独特の動きを多用して
受けをねらっているのはテクニックとして理解できる。
笑いを取れたらしつこく繰り返すのは常道といえる。

ともあれ、一人で奮闘するおじさんに限りない共感を覚えて会場を出たのだった…
   
 韓国から招待された劇団ロギナレの印象的な舞台については次回に…

いいだ人形劇フェスタ2013で その5 劇団ロギナレ

 ■ 二人の出使い人形 ■

 最後の観劇は14:30から韓国の劇団ロギナレによる<The Salt Doll>だ…
会場の飯田市公民館は間口6間、キャパ500人の7割がた埋まっていた…
これは別料金を取らずに解放した効果だろう…
ここでも緞帳は上がっており、上手に枯木、
センター前に小山とその上に人形らしきもの、
下手に花と草むら、バックには曲がったカーテンレールに
紗幕が吊られている状態…
そして暗闇に光る星空から、一つの星が地上におり
舞台上に置かれた人形に入る演出で舞台が始まる…
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生成りの服を着たシンプルな人形を二人の女性が出使いし、
人形に命を与える… 二人は人形と同じ生成りの服だ
セリフも歌も韓国語…その分集中して舞台を見ることになる
人形に目がなく、鼻だけなので操者の表情が助けになり生きている…
これで顔を隠していたらつまらなかっただろう…

 ストーリーは自分探しの旅のようだ…
正直よくわからなかった…でもとても印象に残る舞台だった。


■ 飯田線のこと ■

 今回の旅では飯田線を堪能することも目的の一つだった…

 予定した観劇を終え、飯田駅から下りの飯田線に乗った…
乗り換え駅の辰野までは2時間以上たっぷり時間がある。
 3両編成の各駅停車は空席が多く、数駅で降りる高校生が結構いたのだった。
車内で車掌が駅ごとに現れて「乗車券をお持ちでない方は…」と
連呼するのはほとんど無人駅のせいだろう…

 豊橋、辰野間195.7㎞はほとんど単線で94駅あり、鈍行で走破するには6時間かかるという…
駅の間が平均2.1㎞と短いのはほとんど路線バスの感覚で使われているためだろうか…
往きは時間が惜しくて豊橋から特急伊那路に乗った…
警笛が焼芋屋さんみたいでちょっと情けない……
駅名も新城(シンシロ)、湯谷温泉(ユヤオンセン)、水窪(ミサクボ)などわかりにくい名前が続いた…

 ■ フェスタに参加して ■

 鈍行列車に揺られながら今回の体験を振り返ってみた…

今回一番の収穫は人形の大きさについての体験だった…
それは劇団みのむしの公演中に気付いたことだ…
見ていると時々奥の方で操者の手がちょっと現れたのだが、
それが妙に大きく見えて不思議に思っていた…
フィナーレで団員がそれぞれの人形を持って登場した時、
人形の小ささにまた驚いた…ほどんど30㎝ぐらいだろう…
でも、劇中は表情も読み取れたし、特に小さいとは思わなかったのだ。
 そこで気付いた…人形の大きさを観客は補正してみていたのだ…
勝手に望遠レンズに切り替えていたから生の手が大きく見えたに違いない。
これは大きな発見だった。
つまり、比較するものがなければ観客の目は結構小さな人形でも楽しめるように出来ているのだ。 

 
フェスタが30年以上続く理由としては恒例行事として
夏祭りのように市民に定着していることがわかった
規模、運営方法、内容…どれも飯田市が町おこしとして力を入れ、
市民も協力していることが実感できた…

 会場のあちこちで劇団のユニフォームツを着た集団が
観劇しているのを見たがみんな公演の空き時間に来ているのだ。
 どうせ参加するのならぼくも幼稚園、保育所ぐらいの規模なら
実演するのも楽しいかもしれないと思った…

 公立の人形劇場については期待しすぎだったのだろうか…
座席の形状を含めて普通の小ホールとしか思えなかったのは残念だった

 
 意図したわけではなく、今回見たものの多くが出使いだった…  
ぼくはすでに出使い前提の人形劇に方向性は定めている
でも劇団みのむしで体験したように額縁の中で劇が進行すれば
集中力が高まることは確かだ…人間が見えるということは
小さい人形の場合、操者の存在に目がいかない工夫もいるのだろうか…
(例えば、やはり手袋はつけるなど)
 
 ところで…飯田線の旅はお尻が痛くなるくらい十分に堪能したので、
次回は高速バスを使うことにしたい

これでいいだ人形劇フェスタの感想をお仕舞にする

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プロフィール

楽葉サンタ

Author:楽葉サンタ
元児童劇団員、元図書館員…
リタイアした現在は幼児でも遊べる人形劇を楽しく研究中…
妻一人、子ども三人、孫四人

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