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彩時記 由比の往還

 5月20日(火)…昨年に続いて結社の一泊吟行へ参加した…
今回は駿河から甲斐の旅だ…

 11:00ごろもゆい桜えび館に到着…
少し早目の昼食をいただき、しばらく自由散策…

 案内板に沿って40段ほどの階段を下り東海道の旧道にでた…
平日のことでもあり、我々以外にはそれほど人影はなかった
両側の歩道はタイル状に整備されているものの
往時の面影が色濃く残っている
昨年歩いた中山道とも共通する景色も感じられた…
足元に蟻が数匹…君たちも旅人か…

 昼食前にクチャーを受けた必見ポイントがあった
江戸時代に騒動を起こし、講談などで有名な由比正雪…
彼の生家が街道沿いで正雪紺屋として盛業中だというのだ
ガイドさんの上手な紹介によってその場所は
みんなが注目する場所になったのだった…

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   < 蟻 と 往 く 由 比 旧 道 の 紺 屋 前 >
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彩時記 三保の松原

吟行は由比から三保の松原へと向かった
車中ではガイドさんから羽衣の由来話の他、羽衣の松が
実は
3代目とのぶっちゃけ話的レクチャー…

 世界遺産がらみで見学バスが急増したらしく半キロほど
離れた駐車場から歩く…地名の由来であろう
御穂神社から
羽衣の松方向へ向う松原の間には木製の歩道<
の道
400m以上続いている…
歩道が
50センチほど地面から浮いているのは
松原の根を保護する配慮と後から知った…

 薄曇りで心配だった富士山は海岸へ近づくにつれて
ふんわりと白い姿を見せてくれた…海岸には廃船もあり
写真で見慣れた陳腐なまでに絵になる風景である

ところで…波打ち際までいって気がついたことが二つ…
まず貝殻が全く見つからないのだ
砂浜部分ともっと粒の大きい礫浜とが
混在していることと関係あるのだろうか…

 もう一つ…松原の向こうに手前では見えなかった
清水港の港湾クレーンが見えるのだった…
キリンに似た紅白のクレーンが入ってくるだけで
景観は激変する…
ちょうど舞台の袖から装置が見切れるように
風景がいっぺんに現代になるのだった…
この驚きを句に…と思うが句会には果たせず終わった

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    <ク レ ー ン も  寄 せ て 三 保 な り  雪 解 富 士>

彩時記 浦佐やな

9月の上旬…新潟県の浦佐駅近く、魚野川(信濃川の支流)に
かけられた簗(やな)を見学してきた…
例によって句会のメンバーが設定してくれたツアーへの便乗だ


<浦佐やな>は簗番がいるわけでもなく、
付属の食事処を利用すればどうぞご自由に見学を…
という観光簗だからそれほど鮎がかかるとは思わなかった…
それにしても全く鮎はかかってくれない…

約30分ほどでハヤのような小魚が2匹かかっただけだった…

その分、昼食には鮎の塩焼き、甘露煮、鮎酒…と鮎を堪能した

諦めが悪いので食後にまた簗に行ってみると
まるでミイラのようにやせ細った鮎が一匹かかっていた…
すでに死んでおり、多分その状態で流れてきてかかったのだろう…

 さて、目が慣れてくるとスノコのあちこちに5,6センチぐらいの
小魚が挟まっているのがわかった…
スノコの目の隙間から逃れるには大きすぎ、
打ち上げられるには小さいのが不運だったのだ

突然カマキリが水際で暴れているのを見つけた…
スノコのところであがる水しぶきに巻き込まれたらしい…
少し見ているともがきながら何とか自力で脱出しヨロヨロと逃げていった…
カマキリも油断ができない

簗場にあったイスに腰掛け、しばらくボーっとしていると
水音が気になるようになった…水量は結構あるし、流れは簗の
構造物やスノコにぶつかりながら響き合い複雑な水音を奏でている…
こうしたことは現場に来てみないとわからないことだった

歳時記では単に<簗>といえば夏の季語…
<上り簗>といえば春、<下り簗>は秋、…らしい
出不精なぼくにとってはま
た一つ貴重な体験ができた…

 欲を言えば簗で飛び跳ねる鮎も見たかったけど
それは想像力で補うことにしたい…

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 <スノコ目に 雑魚往生の 下り簗>

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彩時記 城ケ島馬の背洞門

 一泊吟行で三浦半島へ行ってきた…

 城ケ島に渡った折り、名所となっている<馬の背洞門>へ向かった
駐車場から片道15分ほどの行程は折からの暑さもあって相当ヘビー…
それでも磯まで降り、目的の洞門を見た時は写真では味わえない
面白さがあった…
岩が作り出す直径10メートルほどの空間が自然の額縁となり
見る角度、タイミングでそれぞれの絵画になるのだった…

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見ている間にもヨットが1艘横切り…鳥が飛翔した…
同行した日本野鳥の会会員によればイソヒヨドリだというのだが
そういわれてもピンとこないのは情けない…
この日海岸で多く見かけたトンビぐらいならわかったのだが…

 こんな景色を句にしない手はない…
翌日の句会まであれこれひねりまわしたものの不発に終わった…
文字通り絵にかいたようなものは絵にならないのかもしれない

 洞門の横にはいくつもの潮だまり(忘れ潮)があり、幼魚の群れや小さなヤドカリ、
海藻類が一つのスモールワールドをつくっている…そこだけで1日遊べる場所だった

 タイトなスケジュールの中でもゆったりと贅沢なひと時を過ごした…

           <あちこちにのぞき眼鏡や忘れ潮>



彩時記 記念艦三笠

 

吟行の二日目は東京湾唯一の自然島という猿島で散策の予定だった…
島名の由来は古く…日蓮上人が房総から鎌倉へ渡る途中で嵐に遭った時、
どこからともなく一匹の白猿が現れ、舳先に立って島へ案内したという
言い伝えによるのだという…

 島へ渡るクルーズ船が発着する横須賀三笠公園の桟橋には
グレーのグラデーションの地味な船体が紅白幕で覆われた船体があった…
記念
艦として残されている旧海軍の<
三笠>だ…
日本海海戦の旗艦だった三笠は船体を地面に埋め、戦後は
ダンスホールや水族館として利用されたこともあったようだ…

 

一行は船上での演奏会が始まる時刻に合わせて猿島散策から戻った…

でも、ぼくは少しくたびれていたこともあって乗船せず、

少し離れた埠頭で船体をスケッチしていたのだった…



 風に乗って聞こえてくる演奏を聴きながら
なぜか中国へ出征した親父のことを思い出していた…


mikasa037.jpg


          <白服の偉丈夫笑みし記念艦>

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プロフィール

楽葉サンタ

Author:楽葉サンタ
元児童劇団員、元図書館員…
リタイアした現在は幼児でも遊べる人形劇を楽しく研究中…
妻一人、子ども三人、孫四人

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