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ぼくの木馬座始末記 8 スケートをはいた馬 その1

 7月になってからだったと思う…いきなり稽古場に呼び出され、馬の後足になれといわれた…


 芝居の劇団側責任者だったYさんが演出の関矢幸雄さんに「若手のNくんです…」と
紹介した。若手には違いないが技術もないのになぁ…と思った。
後で事情を聞くと『スケートをはいた馬』では馬のネグロカバロは主役のコンラート少年、
リンゲルフート行動を共にする役なのだが、
その役者二人(四足だから二人で演ずるのだ)が演出家の納得する動きができなくて
交代させられたとのこと。いきなりのことで戸惑いはあったが、
前足役のGさんがベテランだったので動きのポイントを教えてもらいながら芝居を覚えていった。

 馬の後足役は体をほぼ90度に曲げて前足役の腰につかまりながら演技?をすることになる。
姿勢もつらいが、視野が狭く、馬の腹の部分に開いた20㎝×10cmぐらいの窓から
床しか見えないのも厳しかった。更にこの役はタイトルにあるとおり、相当部分ローラースケートを
はいたまま動き回り、特に、なまけものの国では曲に合わせて舞台を縦横にスベリ回る見せ場があるのだった。
馬の後足というポジションはぼくにあっていたと思う。
  
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 7月21日…夏休みにあわせるように読売ホールで本公演が始まった。
読売ホールでの毎日は刺激的で楽しかった。馬の声をやっている中野宏さん、
リンゲルフートおじさん役の熊谷章さんと一部屋を与えてもらい、
なんだか他の役者さんに申し訳ない気持ちだった。
楽屋には当時薔薇座を立ち上げたばかりの野沢那智が来たことを思い出す。 

  『スケートをはいた馬』の舞台背景は白地に黒の線描をメインにしたモダンというか
簡潔なスタイルで、藤城美術では異色な印象を受けるものだった。

 リンゲルフートおじさんが「れいぞうこー の とがあいて…」と
歌を歌いながら冷蔵庫から次々にとびだす野菜や肉をフライパンで
軽快に受け止める…というのがオープニングだった。
実際は小道具担当が裏からポンポン投げているだけなのだが、
客席から見るとなかなか楽しいもので、芝居の演出は
お金をかけなくてもアイディアで面白いものになるものだと思った。

 毎朝、開演前にローラースケートの練習をしたのも楽しい思い出である。
2場の「なまけものの国」ではバックで舞台中を周回する部分もある。
この時だけはぼくがリードしなくてはならないのだが、
何しろ下しか見えないから気をつけないと最悪舞台から転落する。
舞台床面の木目やフットライトの存在を意識した練習がどうしても必要だった。
ぼくは中学生時代ローラースケートに凝っていて、学校の近くあった後楽園のローラースケート場へ
放課後頻繁にかよったことがあった。まさかその時の遊びが役に立つとは…
まだだれもいない舞台でスケート練習をしながら
たった数ヶ月前の自分とくらべて今の立場を不思議に思ったものだ。


 さて、8月18日に読売ホールでの公演が終わり、大阪公演になるのだが、これは次の話…

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プロフィール

楽葉サンタ

Author:楽葉サンタ
元児童劇団員、元図書館員…
リタイアした現在は幼児でも遊べる人形劇を楽しく研究中…
妻一人、子ども三人、孫四人

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