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ぼくの木馬座始末記 20 引っ越し

引っ越し先は千代田区麹町だった…
 そこは藤井ビルという小さな貸しビルで親会社の現代芸術社がすでに4階に入っており、
2階が空いたのでそこへ移ることになったようだった。 
 麹町といえば子どもの頃に愛読した江戸川乱歩の少年探偵団シリーズに出てくる
明智探偵事務所の所在地である。その中で描かれる風景は閑静な高級住宅街だった。
でも昭和47年の麹町はもちろん様変わりしていた。新宿通りから一本裏に入った 藤井ビルの周辺 には
女子校、日本テレビがなどがあり、大きなビルがすでに林立していた。いってみればオフィス街である。
建物としてはマンションよりはましだが、こんな環境で製作ができるのかやっぱり不安だった。

写真00078 この写真は2009年に撮ったもの。
1972年当時はなかった地下鉄有楽町線麹町駅を降りて地上に出るとそこは新宿通りの麹町4丁目交差点。
横断歩道の左方面に約1キロ行くと 四谷駅、右に1キロ弱で皇居の半蔵門に突き当たる。
正面方向に直進すると日本テレビの社屋があり、やがて市ヶ谷駅に着く。
手前の白いビルと奥の茶色いビルの間を右折してすぐ左側に藤井ビルがあった。

 ● 伊藤園か木馬座か ■
 コの字型をしたそれほど広くないスペースに総務、票券、営業、製作と配置された。
ビルの1階前に3台ほどの駐車スペースがあり、営業用のサニーが置かれた。
カローラでなかったことが営業の人には不満なようだった。
しかし、それより問題になったのは社長の命令で木馬座の看板をルーフキャリアに
着けることになったことだった。ITさん苦心の手作り看板は
「こんなものを着けてる車は東京中で伊藤園だけだよ…」と営業に大不評で、
せっかくの看板も駐車場にむなしく放置されていることが多く、いつのまにかそれも消えた。
 当時はわがままだなぁ…仕事なんだから…と思っていた。しかし、自分が車を運転するようになった今、
考えてみると確かにこれで東京を走るのは恥ずかしいだろうと納得できるのだった。
mokubazarogo002_convert_20120130130336.jpg

 ■ 手作りの木馬座ロゴ ■
 引っ越してすぐにITさんが自分で作った木馬座マークの木彫りレリーフを事務所入り口に掲げた。
正方形の輪郭の中に左向きに木馬がいるデザインは劇団のもっともポピュラーなロゴマークだった。
これを表札にしたITさんの気持ちがぼくにはとてもよくわかった。
ちょうど新撰組が『誠』の旗を団結のシンボルにしたように、ぼくたちには今は縁が切れたルーツに
つながる何かが必要だった。薄汚れた古いビルに取り付けられたマークを見ると、
あのスタジオや、ぬいぐるみのキャラクターなどを思い出し、ちょっと元気になるのだった。
ぼくは裏方の時腰につける道具の入った袋(ガチ袋)にもマークを描いて使っていた。
考えてみるとこのマークが使えなかったらそもそも信用がなく、芝居もできなかったに違いない。

 ■ 生田の倉庫 ■
 芝居が終われば人形はもちろん、大道具、小道具などを保管する場所が必要になる。
手狭な事務所ではどうしようもない。ということで、倉庫が用意された。
場所は川崎市の北部、多摩丘陵の一角にあった。実はこの場所はぼくにとって地元なのだった。
最寄り駅である小田急線向ケ丘遊園駅からほんの1分ほどのところに実家があり、
倉庫を右に見ながら少し山道を登ったところにあるゴルフ場は高校を卒業してからしばらくの間
キャディをしていたところだった。こんなところにも何か不思議な縁を感じてしまう。 

 ■ 青い三角定規 ■
 声優の新井勢津朗さんは劇団木馬座には所属せず、独自のネットワークで
ぬいぐるみのショウを展開していた。ぼくは公演がなければ割合フリーな時間があったので、
時々声をかけてもらってアルバイト的な仕事をすることがあった。
そこに集まっていたメンバーは新井さんのコネだから元の木馬座関係者が多かった。

 昭和47年の5月か6月…読売ランドのステージを手伝ったときのこと…
出演していた木馬座演劇スクール出身の子どもがぼくの知らない司会のお姉さんを
 「西口先生…」と親しげに呼ぶのだった。聞いてみると演劇スクールでダンスを教えていた人らしい。
そして「今度レコードを出すの。よろしくね…」と子どもたちにいっていた。
 それからいくらもしないでぼくよりちょっと若く見えたその人、西口久美子は三人組のグループ
青い三角定規のメインボーカルとして登場した。そして日本テレビ系列のドラマ『飛び出せ青春』の
主題歌『太陽がくれた季節』が大ヒット。一躍有名になったのだった。

引っ越しも終わり、夏の公演近づいてきた…その『ライオンのめがね』については次回に…
 
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プロフィール

楽葉サンタ

Author:楽葉サンタ
元児童劇団員、元図書館員…
リタイアした現在は幼児でも遊べる人形劇を楽しく研究中…
妻一人、子ども三人、孫四人

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