彩時記 三保の松原
吟行は由比から三保の松原へと向かった
車中ではガイドさんから羽衣の由来話の他、羽衣の松が
実は3代目とのぶっちゃけ話的レクチャー…
世界遺産がらみで見学バスが急増したらしく半キロほど
離れた駐車場から歩く…地名の由来であろう御穂神社から
羽衣の松方向へ向う松原の間には木製の歩道<神の道>が
約400m以上続いている…
歩道が50センチほど地面から浮いているのは
松原の根を保護する配慮と後から知った…
薄曇りで心配だった富士山は海岸へ近づくにつれて
ふんわりと白い姿を見せてくれた…海岸には廃船もあり
写真で見慣れた陳腐なまでに絵になる風景である
ところで…波打ち際までいって気がついたことが二つ…
まず貝殻が全く見つからないのだ
砂浜部分ともっと粒の大きい礫浜とが
混在していることと関係あるのだろうか…
もう一つ…松原の向こうに手前では見えなかった
清水港の港湾クレーンが見えるのだった…
キリンに似た紅白のクレーンが入ってくるだけで
景観は激変する…
ちょうど舞台の袖から装置が見切れるように
風景がいっぺんに現代になるのだった…
この驚きを句に…と思うが句会には果たせず終わった
<ク レ ー ン も 寄 せ て 三 保 な り 雪 解 富 士>