彩時記 記念艦三笠
吟行の二日目は東京湾唯一の自然島という猿島で散策の予定だった…
島名の由来は古く…日蓮上人が房総から鎌倉へ渡る途中で嵐に遭った時、
どこからともなく一匹の白猿が現れ、舳先に立って島へ案内したという
言い伝えによるのだという…
グレーのグラデーションの地味な船体が紅白幕で覆われた船体があった…
記念艦として残されている旧海軍の<三笠>だ…
日本海海戦の旗艦だった三笠は船体を地面に埋め、戦後は
ダンスホールや水族館として利用されたこともあったようだ…
一行は船上での演奏会が始まる時刻に合わせて猿島散策から戻った…
でも、ぼくは少しくたびれていたこともあって乗船せず、
少し離れた埠頭で船体をスケッチしていたのだった…
風に乗って聞こえてくる演奏を聴きながら
なぜか中国へ出征した親父のことを思い出していた…

<白服の偉丈夫笑みし記念艦>
スポンサーサイト