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ふかよみ №6 『』ねずみくんのチョッキ&『ぞうのボタン』 

               <絵本は国境を超える> 

ねずみくんのチョッキねずみくんのチョッキ
作:なかえ よしを / 絵:上野 紀子出版社:ポプラ社絵本ナビ

 日曜日の朝刊にポプラ社の絵本<ねずみくんシリーズ>
最新刊「へんしーんネズミくん」の広告が出ていた…
そこには1974年に第1作『ねずみくんのチョッキ』が出版されて以来
40年間で31巻めと紹介されていた…

 作者の上野紀子 なかえよしをは日大芸術学部の同窓生夫婦だ…
ポプラ社HPの作家紹介欄によれば二人で話し合いながらなかえが
ラフスケッチで展開をきめ それを上野が描くコンビネーションで
創作活動を続けてきたという…

 『ねずみくんのチョッキ』ではお母さんが編んでくれた自慢のチョッキを
他の動物たちが次々に借りて着回していく…
だんだん大きな動物になっていくので異常な窮屈感が見どころなる…
そして最後にゾウが着用に及ぶところでクライマックスを迎えるのだ…

 現実にはありえないアイデアを絵の力で目に見えるものとして
納得させる力のある絵本のいい見本だろう…


ぞうのボタン─字のない絵本─ぞうのボタン─字のない絵本─
作・絵:うえののりこ出版社:冨山房絵本ナビ


 ところでこの夫婦の商業絵本デビュー作は文字なしエンドレス絵本
『Elephant Buttons』として1973年にニューヨークで出版されている…
 見開き全14場面は白い背景に右ページにのみモノクロの動物が描かれる
あるいみぜいたくなつくりになっている。このもったいなさ?が当時の日本では
出版に至らなかった理由なのだろうか…
 内容は『ねずみくんのチョッキ』の逆バージョンのようなもので、
ぞうのお腹にボタンが現われ、そこから、より小さな動物が出てくる…
するとその動物にもボタンがあり…このパターンが続き、最後にねずみが登場し、
そこで終わりと思わせて どんでん返しで始めに戻るところが画家の腕の見せ所となる…

 ぼくはこの英語版を勤めたばかりの図書館の洋書絵本棚で見つけた…
その時にはすでに翻訳が『ぞうのボタン』として冨山房から出版されていたので
見比べることができた…両者の違いは表紙、奥付が日本語と英語だけ…
という至極当然な結末ではあったが…

 この2冊の絵本は図書館のおはなし会や読み聞かせでも
大いに使わせてもらった…
『ぞうのボタン』に登場するねずみは後に「ねずみくんのチョッキ」に始まる
シリーズの主役に昇格し それが40年後に31巻続くロングセラーとなった…
そのことはこの絵本を読んで 育った子どもたちがまた次の世代に
引きついでいることを意味しているのだ

 外国のアマゾンHPで『Elephant Buttons』のレビューを見てみると、
概して評判がよく、文字なし絵本には国境がないことを改めて知ったのだった…

ふかよみ №5 『ロバのロバちゃん』 


           <ロバはやっぱりロバだった>




ロバのロバちゃん
ロバのロバちゃん
作・絵:ロジャー・デュボアザン / 訳:厨川 圭子出版社:偕成社絵本ナビ

  

 テキストと絵のバランスのとれた絵本らしい絵本だ

 

悩みなくご機嫌に暮らしていたロバが
ある日突然自分の容姿(耳)が気になりだした…
大好きなアザミもおいしくない

そして他の動物たちのアドバイスを聞いたばっかりに
どんどん不幸になって…
まるでイソップの『ロバ売り親子』のような展開に…

こう書いたが、今風にいう<自分探しの旅>的な
テーマは気にならない…

 ヒツジやブタなど、それぞれの動物にあてはめられた
性格づけが いかにもはまっているのも面白い…

 

 表面が円滑な用紙(おそらくケント紙)に水彩で色付けされている…
この彩色がいい効果をあげ、動物たちに独特の質感を与えているのだ
これに加えて、ペンが自由で軽快なタッチで輪郭と体毛を描き出し、
色彩を引き締めている…


 

この絵本は図書館に勤めて一番初めに人形劇にした作品なので
思い入れも強い…
ロバの耳を前や左右に動かす面白さを
人形で表現してみたいと思ったのが選んだ動機だった
 
 ところが 主役に力を入れすぎて時間切れとなり
ほかの動物たちは平べったいつくりで逃げてしまったことで
バランスが悪くなったのは心残りなことだった…

声を録音する時、同期の男性に雀のダニエル役
(最後に登場しロバに自分らしさ出せと励ます)を頼んだ…

彼は素朴に独特のイントネーションでセリフを読んだ…
これが実にインパクトがあり、
40年近く過ぎた今でも耳に残っている…

 

 自信を取り戻したロバちゃんはまたアザミを
おいしく食べられるようになった…

めでたし めでたし…


ふかよみ №4 『ロボット・カミイ』 

    <ごっこ遊びが人形に命を与える>

ロボット・カミイロボット・カミイ
作:古田 足日 / 絵:堀内 誠一出版社:福音館書店絵本ナビ

 古田足日という不思議な名前を知ったのは図書館に勤めてからのことだった…
足日(たるひ)が本名だということはもっと後で知った… 


 捨てるはずの段ボール箱を兄妹で工作し
出来上がった瞬間にロボットは口をきく…
そのことを自然体受け入れ、遊ぶだけでなく
幼稚園に連れていき、そこでひと悶着…

 小学3年生になって初めて本書に出会った孫は
わがままなカミイが<おみせやさんごっこ>で
<ひとりグループ>にされ、品物もお客も少ない状況に心を痛めていた…
 
確かに出版された40年以上前なら普通に読めたのに、
今の時代だとちょっと問題視されることになりかねないのかもと思った…

 ダンボールのカミイに作品としての命を吹き込んだの
挿絵を描いた堀内誠一だ
彼の絵によってカミイがダイナミックに動きまわり、
実体を持つことができたのだと思う…
ぼくは特にロボットのくにへ帰っていく後見返しが大好きだ…
言葉のないこの絵でお話が安心できる結末になっていると思う…


 昔、児童資料室の入り口に子どもの投稿を入れるポストを
カミイを真似て作ったことも楽しい思い出になっている…

 ところで古田足日といえば、東久留米在住つながりで
『おしいれのぼうけん』『ダンプえんちょうやっつけた』などの
絵本を一緒に作った田畑精一についてもふれたいのだが

                        それはまた別な話…

ふかよみ №3 『さむがりやのサンタ』

         <実在するサンタ>



さむがりやのサンタ
さむがりやのサンタ
作・絵:レイモンド・ブリッグズ / 訳:すがはら ひろくに出版社:福音館書店絵本ナビ
 

サンタクロースは妖精の王さまだと思う。

 サンタがいるとかいないとか…小学生前後の子どもにとっては
切実な話題に違いない。でも、サンタは当然いるのだ。
 この絵本をみればわかる。
 犬と猫とトナカイはいるけれど一人暮らしを淡々と続ける老人が
一年一度だけ輝く一日をコマ割りで追いかけたこの絵本をみれば…
 こんな生々しい生活を描いたら夢が壊れるという大人もいるだろう。
 でも、「こんなサンタもいるんだよ」と心からいいたい。

1975年のクリスマス前…本屋でこの本を見つけた時は
ちょっと変わったクリスマス絵本と思ったけれど、
このサンタの年齢に近くなった今、ますます味わい深い1冊になっている。

 この絵本はマウリ・クンナスの『サンタクロースと小人たち』
のように他の絵本作家にも影響を与えている…

 ぼくにとってはポチ目で表現されて部分が
一番刺激をうけたところだ…

でも、ただポチ目ならいいか…というとそうではない
下の本は『さむがりやのサンタ』と『サンタのたのしいなつやすみ』を
一緒にしたアニメーションから起した絵本だが
ここのサンタの目は精彩がない
結局オリジナルの力を再認識したのだった
サンタのクリスマスサンタのクリスマス
作:レイモンド・ブリッグズ / 訳:樹山 かすみ出版社:竹書房絵本ナビ
 



 以上は以前に《ぼくの絵本棚 1》として
<絵本>カテゴリーにアップしていた記事に
若干加筆してを<ふかよみ>に引っ越してきた …

 今後はカテゴリー<絵本>を<絵本展>に変更して
作家中心にしてみたい…

ブリッグズについては別の本も取り上げるつもりでいる

ふかよみ №2 『ひとあし ひとあし』


            <シャクトリムシの処世術>

なんでも測れることをアピールしたシャクトリムシが
コマドリのしっぽを測ったことから次々に鳥たちの自慢の部位を測ることになる…

フラミンゴの長い首…


オオハシの大きく太いくちばし…


サギの長い足…


キジの長いしっぽ…


小さいハチドリはまるごと…


 そして最後にナイチンゲールに自分のうたの長さを測れと
おどかされた シャクトリムシは機転をきかせて大脱走に成功するのだった…


特にフラミンゴやサギのページは構図がきちんと計算され、しゃれたポスターを見ているようだ。

                            [以上は絵本ナビに書いたレビューを要約]

 昔…OHP(プロジェクター)を使って影絵にできる絵本を
探していた時のこと、偶然本棚で出会った…

 当時、レオ・レオニといえば代表的な『フレデリック』や
『スイミー』を知らず、かろうじて『あおくんときいろちゃん』の作者…
という程度の認識だった。

 手にとって、主人公が小さいシャクトリムシで単純なことと
コラージュの草むらが簡単そうだったことから
影絵にすることにしたのだった…


 子ども会で影絵を披露してからも折りに触れて
この絵本を手に取ることがあり、ぼくはだんだん
デザイン的な素晴らしさ以上に面白さを感じるようになった…

 一歩一歩前進し、難癖をつけられても機転で切り抜ける
シャクトリムシの姿は 人生訓のようだ…
それもユーモアに包んで…それがすばらしい…

 

最近ある雑誌で、谷川俊太郎が
「…今まで訳してきたレオニの絵本の中で、
ぼくが一番好きなのは『ひとあしひとあし』。
ノンセンスで、レオニらしいユーモアが出ている作品だと思います。…」
という記事を見かけた。

 古い言い回しの<我が意を得たり>がぴったりだった。


 

ひとあし ひとあしひとあし ひとあし
作・絵:レオ・レオニ / 訳:谷川 俊太郎出版社:好学社絵本ナビ


 

ふかよみ №1 『かないくん』

    

          < 死 の 重 さ >


かないくんかないくん
作:谷川 俊太郎 / 絵:松本 大洋出版社:東京糸井重里事務所絵本ナビ




きっかけは<『かないくん』を語らう夕べ>というUSTREAMをみたことだった


谷川俊太郎、糸井重里、阿川佐和子といえばいずれも気になる面々…
1時間半にも及ぶ番組を見てしまったらすっかり上手に
本の紹介をされた気分になり、
早速入手したのだった…


 60年以上前…親友でもない隣席の同級生が病死した…
この事実を思い入れのない分、客観的に状況を振り返り…
それは死について考えることになる…

 前半の内容をこう書くと身も蓋もないものになってしまう

 絵本なのだから作家と画家のキャッチボールが見どころなのだ
絵がほとんど文から離れているのがおもしろい
松本は谷川のテキストを参考に自分なりの物語を作り上げ
それを描いているのだろう…

 出版のきっかけは「死」をテーマにした絵本を出そうと企画した糸井が
旧知の谷川にテキストを依頼…絵は人気の松本大洋
(といってもぼくは知らなかった…工藤直子の息子と知って急に関心をもったが…)
に依頼したとのこと…


    <谷川俊太郎が、一夜で綴り、松本大洋が、二年かけて描いた…>
とはいかにも糸井らしいみごとなキャッチコピーだ…

 コピーと言えば…テイストが変わる後半にでてくる
<死を重々しく考えたくない、かといって軽々しく考えたくもない>
という文章もこの絵本のキャッチコピーにふさわしい


 手にしてこれは<白い本>だと思った…

 表紙に右を向いたかないくん…

裏表紙は真っ白で小口側2㎝ぐらいでコーティングが途切れて
光沢をなくしているのが何かを暗示しているようだ…

中も特別な輝きをもった白が贅沢に刷り重ねられている
<死>を黒ではなく白で表現しているのは
画家のイメージだろうか…

 本全体をとおして肯定的メッセージを感じるのはよかった

 <死は生の始まり…>と受け取れるメッセージが終盤に、
それも思わぬ人物が口にする…

 ぼくはこの場面で…娘に「パパの夢は?」と問われた
父(成功した建築家の設定)が「パパはもう…」と口ごもるTVCMを思い出したのだった


 感性、事象を捉える深さに年齢は関係するのだろうか…

<夢>は歳とともにしぼみ<死>は年々身近になってくる…本当?

生のポテンシャルの高い若い世代こそ、死も身近かもしれない


           早世したかないくん…

           実在のかないくんを傍観した谷川少年…

           80代の谷川俊太郎

           60代の糸井重里

           40代の松本大洋


 この一冊を糸井世代のぼくは 小学校時代、夏休みに多摩川で
水死したK子ちゃんを思い出しながら読み、考えたのだった… 

 卒業写真のK子ちゃんは 別窓で参加していた
もう変わることのないその顔は忘れられない…  
              



武州中山道を歩いて 25 旅を終えて

 武州中山道を気まぐれに歩いてから半年が過ぎた…
今後に向かって約100キロの街道歩きから気づいたことを総括したい…

(この記事編集中です)

いいだ人形劇フェスタ2013で その5 劇団ロギナレ

 ■ 二人の出使い人形 ■

 最後の観劇は14:30から韓国の劇団ロギナレによる<The Salt Doll>だ…
会場の飯田市公民館は間口6間、キャパ500人の7割がた埋まっていた…
これは別料金を取らずに解放した効果だろう…
ここでも緞帳は上がっており、上手に枯木、
センター前に小山とその上に人形らしきもの、
下手に花と草むら、バックには曲がったカーテンレールに
紗幕が吊られている状態…
そして暗闇に光る星空から、一つの星が地上におり
舞台上に置かれた人形に入る演出で舞台が始まる…
iida-roginare013.jpg


生成りの服を着たシンプルな人形を二人の女性が出使いし、
人形に命を与える… 二人は人形と同じ生成りの服だ
セリフも歌も韓国語…その分集中して舞台を見ることになる
人形に目がなく、鼻だけなので操者の表情が助けになり生きている…
これで顔を隠していたらつまらなかっただろう…

 ストーリーは自分探しの旅のようだ…
正直よくわからなかった…でもとても印象に残る舞台だった。


■ 飯田線のこと ■

 今回の旅では飯田線を堪能することも目的の一つだった…

 予定した観劇を終え、飯田駅から下りの飯田線に乗った…
乗り換え駅の辰野までは2時間以上たっぷり時間がある。
 3両編成の各駅停車は空席が多く、数駅で降りる高校生が結構いたのだった。
車内で車掌が駅ごとに現れて「乗車券をお持ちでない方は…」と
連呼するのはほとんど無人駅のせいだろう…

 豊橋、辰野間195.7㎞はほとんど単線で94駅あり、鈍行で走破するには6時間かかるという…
駅の間が平均2.1㎞と短いのはほとんど路線バスの感覚で使われているためだろうか…
往きは時間が惜しくて豊橋から特急伊那路に乗った…
警笛が焼芋屋さんみたいでちょっと情けない……
駅名も新城(シンシロ)、湯谷温泉(ユヤオンセン)、水窪(ミサクボ)などわかりにくい名前が続いた…

 ■ フェスタに参加して ■

 鈍行列車に揺られながら今回の体験を振り返ってみた…

今回一番の収穫は人形の大きさについての体験だった…
それは劇団みのむしの公演中に気付いたことだ…
見ていると時々奥の方で操者の手がちょっと現れたのだが、
それが妙に大きく見えて不思議に思っていた…
フィナーレで団員がそれぞれの人形を持って登場した時、
人形の小ささにまた驚いた…ほどんど30㎝ぐらいだろう…
でも、劇中は表情も読み取れたし、特に小さいとは思わなかったのだ。
 そこで気付いた…人形の大きさを観客は補正してみていたのだ…
勝手に望遠レンズに切り替えていたから生の手が大きく見えたに違いない。
これは大きな発見だった。
つまり、比較するものがなければ観客の目は結構小さな人形でも楽しめるように出来ているのだ。 

 
フェスタが30年以上続く理由としては恒例行事として
夏祭りのように市民に定着していることがわかった
規模、運営方法、内容…どれも飯田市が町おこしとして力を入れ、
市民も協力していることが実感できた…

 会場のあちこちで劇団のユニフォームツを着た集団が
観劇しているのを見たがみんな公演の空き時間に来ているのだ。
 どうせ参加するのならぼくも幼稚園、保育所ぐらいの規模なら
実演するのも楽しいかもしれないと思った…

 公立の人形劇場については期待しすぎだったのだろうか…
座席の形状を含めて普通の小ホールとしか思えなかったのは残念だった

 
 意図したわけではなく、今回見たものの多くが出使いだった…  
ぼくはすでに出使い前提の人形劇に方向性は定めている
でも劇団みのむしで体験したように額縁の中で劇が進行すれば
集中力が高まることは確かだ…人間が見えるということは
小さい人形の場合、操者の存在に目がいかない工夫もいるのだろうか…
(例えば、やはり手袋はつけるなど)
 
 ところで…飯田線の旅はお尻が痛くなるくらい十分に堪能したので、
次回は高速バスを使うことにしたい

これでいいだ人形劇フェスタの感想をお仕舞にする

いいだ人形劇フェスタ2013で その4 人形劇団ののはな

 13:20からフェスタセントラルパーク人形劇団ののはな演じる
『スーパー人形劇/赤ずきんちゃん』
を見た…

 会場は折りたたみ椅子が並んだ大きなテント…
もちろん冷房があるわけもなく、相当暑い…
定刻になり、陽気な口調で小太りのおじさんがステージに登場すると
手に持っていたトランクからスーパーのポリ袋を取りだした…
 すると前の方に座っていた子どもたちが
これからやることを声に出し始めた…
前回のステージを見た子なのだろう…
こういう客はいてくれた方がうれしい…
続けて見てくれるだけでありがたいし、
この子とやりとりで場を盛り上げることも可能なのだ。
実際、おじさんもその方向でステージを進めていた。

 ところでスーパー人形劇とはスーパーのポリ袋を使うものだった。
ポリ袋でタコやキツネなどの動物を次々ひねり出していく…
途中ではストローでふくらませるバリエーションもあり、
小規模でやる分にはそれなりに面白いと思う。

iida-rejibukuro012.jpg

 一度袖に引っ込んで再登場すると頭からすっぽり人形劇舞台をかぶっている…
露出している下半身はキラキラズボンにキラキラブーツに変わっていた…

iida-nonohana011.jpg

なるほど…確かに普通のズボンと靴では派手な舞台と
釣り合いが悪いという計算なのだ。
お芝居はお母さん部分をカットし、流れは原作に沿っていた…
途中でLEDを使ったミツバチとオオカミがからむエピソードを入れ、
変化と時間経過に工夫がみられた…
何しろ一人芝居だから大変…
両手にパペットをはめてやりとりをしたかと思うと
ハーモニカを吹きながら大道具転換…
人形も上から出したり横から出したり…
舞台自体も客席とやりとりしながら下手に、上手に移動していく…

 この劇を見ていて隠れて操作するメリットを考えた。
姿が見えない方がセリフを思いきり言える?観客が集中する?
この芝居は観客を巻き込んで進めるやり方なのだが…

 思いきりコケるなどハンドパペット独特の動きを多用して
受けをねらっているのはテクニックとして理解できる。
笑いを取れたらしつこく繰り返すのは常道といえる。

ともあれ、一人で奮闘するおじさんに限りない共感を覚えて会場を出たのだった…
   
 韓国から招待された劇団ロギナレの印象的な舞台については次回に…

いいだ人形劇フェスタ2013で その3 市街散歩 人形劇団クラルテ 

 ■ 飯田市街を歩く ■

二日目は9時前に駅に出て、公演が始まるまでしばらく街歩きを試みた…

 昨日真っ先に行った人形劇場があるのは駅の山側だが駅前から
メインの町並はずっと下りになっている…
しばらく歩くと並木通りという道にぶつかった…
広い道幅の中央にリンゴ並木が続いているいい空間だった…

iidafoto-05.jpg 
昔あった大火の教訓から防火区画の意味ももたせているらしい…
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子どもが遊べるスペースもあり、ぜいたくで
豊かな 環境だと思わずにいられなかった

 リンゴ並木の突きあたりに小さな動物園があった…
無料だという…9時開園ですでに親子連れなどの姿があった…
子どもに混じって園内を1周する<べんけい4世号>に便乗させてもらった…(100円)

■ 川本喜八郎美術館 ■
散歩には目当てが二つあった…その一つが川本喜八郎美術館だ…
着いたのは9時半…開館直後で人影も少なく、館内をゆっくり見ることができた…
NHK放映の三国志関係の人形が大量に展示されており、
衣装の細工の手間などから これが一大プロジェクトだったことが容易にわかった。
川本一人で出来る仕事ではない。
 館内に衣装をとった棒使い人形が1体でていて、これは自由に操作できるという。
係のお姉さんの勧めもあって手に取るとつい研究心を出して動かしてしまった…
2本の操作棒のほかに中心線にもう1本ロッドがあるのは
これで人形の向きをコントロールするのだと説明された…
 
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 館内には人形作りのプロセスを丁寧に説明している展示もあり、
ゆっくりしたいところだったが、もう1カ所飯田市立中央図書館を
のぞいてみたかったので、続きは次回ということで後にしたのだった…

 中央図書館は市街の中心からは少しはずれたところにあった…
近くにはものすごく風情のある古い様式の小学校もあり、
このあたりが教育を担う歴史的な場所だということが分かった
iidafoto-08.jpg
中央図書館は和風の外見で中二階を持つ建物だった…
内部は全体に歴史を感ずるレイアウト、資料のように思えた。
 

さて、図書館をでてから午後に見る予定の会場の下見をしながら
午前の公演会場である飯田市文化会館を目指した…

iidafoto-10.jpg


野外のメイン会場となるフェスタセントラルパーク
中央奥の大テントで一人人形劇を見た


 
iidafoto-09.jpg 
韓国の人形劇を見た中央公民館
手前のスペースは市営プールの跡



 iidafoto-11.jpg

4体の人形が芝居する時計塔「ハミングパル」
昭和60年代からある飯田市のシンボル

 市内見物を兼ねた会場確認も時間になったので
昨日も行った飯田市民会館へ向かった…
この道のりは上り坂になるので歩いてみると結構きつかった…

■ ぜいたくな人海戦術 ■
11時からの公演は人形劇団クラルテの<11ぴきのねこどろんこ>だ…

11ぴきのねこ どろんこ11ぴきのねこ どろんこ
(1996/10)
馬場 のぼる

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この作品は有料な上、座席指定…
キャパ800席の飯田文化会館ホールはほぼ満席。
上手寄りやや前の方に着席する。
左隣には人形劇関係だろうと思われる二人連れのご婦人である。
右側は最後まで空席。
間口6間のステージは緞帳が上がった状態でセットが見えている。
お話がスタートしてまず驚いたのは11匹のネコを一人1体で出使いしていること…
裏方を入れればどれだけの人数でツアーをしているのか…
これで食べていくのは大変だろうなぁ…と余計な心配が頭に浮かぶ…

さて、始まってしばらくは隣の二人組が舞台のあれこれを見たままに
口にするのが気になってどうもお話に入りづらい。
もっとも、ストーリーもちょっと単調というか…ほのぼのして
あんまり盛り上がらないなぁ…と思えたのも事実だった…
隣が静かになったので見ると、片方が気絶していた…
そういうぼくも途中で睡魔に負けてしまったのだった…
 
 しかし、休憩を挟んでの第二幕になると巨大恐竜が登場し
盛大な泥遊びも始まってだいぶ盛り返した…
セットでは舞台間口いっぱいに60㎝ぐらいの高さがあるケコミから様々な背景が飛びだしたり、
変化したりと装置に工夫が見られた…

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場面転換では暗転が多用されていたが、これだけオープンな出使いなのだから
転換を見せても問題はないように思った…
 
お昼をはさんでこんどは対照的な一人人形劇団と出会ったが、それは次回に…

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プロフィール

楽葉サンタ

Author:楽葉サンタ
元児童劇団員、元図書館員…
リタイアした現在は幼児でも遊べる人形劇を楽しく研究中…
妻一人、子ども三人、孫四人

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